2017-06-06 15:43 来源:互联网 责编:独家记忆
日本全土を北から南まで三週間以上かけて縦断する、速度よりも快適さを最優先させたサービス重視の寝台特急列車だ。
ありえないほどにのんびりとしていること以外は、ごく普通に乗客を乗せて運用されているだけの列車だった。
「──海堂車掌、海堂精治 (かいどうせいじ) 車掌」
今、車掌室の外から俺を呼んでいるのは高槻裕次郎 (たかつきゆうじろう) という、
この満潮の副車掌──いや俺の片腕として働いている有能な男である。
扉を開けると、高槻の隣に見知らぬ男が腕を組んで佇んでいる。発車が遅延した事で文句を言いに来た乗客だ。